まぁ〜きゅ。

薄っぺらい人間関係からの脱却

10代のころにホームレス生活をして死にかけた話

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だいぶ前の話になる。

自分は九州のとある県に元々住んでおり、

ひょんなことから長崎へ仕事に行くことになる。

その仕事も地獄の日々で、つらすぎてそこから逃げだした僕はその後、さらに地獄をみることになる。

そんな実体験を事細かに話していこうと思う。

その前に一つだけ言う。

 

自慢してね〜から!!

 

※ホームレス生活の部分だけ見たい方は、

目次の「寮を飛び出してホームレスになるまで」

に飛んでください。

長崎に行くまで

最初に僕のスペックを話す。

  • 中卒で10代後半
  • 痩せ型で見た目はチャラい
  • 当時は携帯電話が必要でもなかった時代なので携帯はなし
  • 大人しい性格。人見知りが激しい

 

中学校を卒業し、高校にもいかずにしばらく遊び呆けていた僕は、遊ぶお金欲しさに時々

「某有名登録型派遣サービス」を利用していた。

その仕事はだいたい建設現場。

もっと楽な仕事ないのかなぁと思いつつも、単発だしいっか!といった気持ちで働いていた。

最初のころはバラバラな現場だったが、何度か仕事に出向くうちにいつしか同じ現場に行っていた。

その派遣先の会社を「おバカ興業」と名付けておく。

 

その現場はおバカ興業の平井(仮名)がしきっており、基本はその平井の指示に従って行動していた。

仕事内容は当然きつかった。ただ、当時「体を鍛えたい」気持ちが強かったこともあってかそこまで苦には感じてなかった。

 

この平井が後に、僕がホームレスになるきっかけを作った張本人だとは思いもよらなかった。

 

何度もその現場に出向いていくうちに平井に顔を覚えていただき、仲良く話をすることも多かった。

 

ちなみにこの平井のスペックを話すると、

 

  • 年齢は僕の20歳くらい年上
  • 身長はチビ、顔デカイ、頬骨が異常に張ってる、目が小さい、ヒゲが少し濃い
  • 真ん中から髪を分け、髪ペッタンコ、油ギッシュ、セミロング
  • 絶対に長崎人じゃないのに長崎弁を話す

 

とまあ、こんな感じで伝わるかわからないが。。

 

そんな平井と仲良くなっていったある日、

平井から突然

「もしよかったらお前、うちにこない?派遣会社からだと給料安かろう?直接うちに入った方が給料ええよ。」

 

確かに、派遣会社を通すと日給は6000円。

ただ平井の話によれば、直接おバカ興業に入ったら日給が8000円になるとのこと。

当時、車の免許がそろそろ欲しい時期でもあり、しばらく遊べる金と免許代を貯めたかったのもあり、2つ返事でおバカ興業に入社した。

 

入社して最初のころは違う現場に日替わりで入り、時々平井のもとで現場の勉強をする、といった日々。

このころはまだ平井は猫かぶっており、まだいい人を演じていた。

そして入社2週間たったある日、おバカ興業が請け負っていた仕事先の長崎の現場が人手不足になったということで、数年前から平井が固定で出向いていたこともあり、いきなり自分と平井で長崎に出張に行くよう言われた。

出張となれば当然平井と一緒の寮で暮らすことになるが、その当時はまだ平井がいい人だ、と信じていたため特に抵抗なく長崎へ行くことになった。

 

ただ、これが地獄行きの切符になるとはこの時想像もしなかった。。

 

長崎に出張

長崎行きが決まってから2日間の休みの間にある程度荷物をまとめ、長崎での仕事が夜間のため、

仕事日の昼に平井と合流し、平井の車で高速を使って長崎に行った。

仕事日に合流したのは自分と平井、そしてもう一人着いてきた。

名前は中田(仮名)。

 

中田のスペックを軽く言うと、

  • 年齢は僕の1つ年上
  • 身長高くイケメン
  • パチンコパチスロ大好き
  • 基本そっけない性格

 

まあこいつにもちょっと苦しめられたが、

平井の比じゃないのであまり触れないでおく。

 

中田は2年ほどおバカ興業に勤めていたが、長崎にくるのは初めてだった。

僕とは歳が近く、寮で同じ部屋になったこともありすぐに仲良くなった。

最初はなれない仕事で、しかも夜間だったのもありお互いにきつかった。

ただしばらくすると次第に生活にも慣れていき、

仕事終わりにはいつも中田と一緒に長崎観光に行ったりと楽しく過ごしていた。

 

ただ、ここで少し平井に異変がでてくる。

きっかけは仕事中の僕のちょっとしたミスだった。

地元でなら「あぁ、大丈夫だよ。」くらいで済んでいたのに、

この時はその場で尋常じゃないくらい大きな声で怒鳴られた。

あまりの態度の豹変ぶりにただただ驚いてしまったが、自分がミスをしたんだから仕方ない。と反省をした。

仕事後に平井と話をした際、平井がわけのわからないことを言ってきた。

「あんくらい俺が言っておけば、他の現場のやつらはお前に何も言えなくなるだろ?だからあえてわざと怒鳴ったんだよ。あれは演技だから心配せんでいいよ。」

今思えば何をかっこつけて言ってんのかわけがわからないが、その当時は平井の言葉にただほっとした。

 

その後、中田と話をした際には

「平井さんはあんな怒鳴ったことないけどね、まあオレも長崎は初めてだし、平井さんも久しぶりの長崎でピリピリしてるんじゃない?」

と、そんな感じの話をしていた。

当時の自分はそれで納得していた。

とにかく次は仕事でミスしなければいい!と、まだそのくらいの思いでいた。

 

それから少しの間は怒られることはなかった。

ただ、「あぁ、よかった」と思っていた矢先にちょっとしたミスをし、平井に激しく怒鳴られる。

その後にまた平井にフォローされる。

こんな繰り返しが続き、次第に頻繁になっていく。

そんなある日、平井にさらなる異変がでる。

 

平井の覚醒、中田の裏切り

 

今思うとホントにパワハラの域こえてね?」

と思うほどのことがあったが、話を戻す。

 

次第に平井の怒鳴りが毎日になり、怒られる内容が日に日に細かくなっていった。

「スコップの持ち方がなってない!」とか、

「作業着のボタンをきちんと止めろ!」とか、

「目上の人に対する言葉づかいがなってない」など

正直仕事と関係ないことをいいだし、

(この時点ではまだ理不尽とは思っていない)

そのうち仕事終わって寮に帰ってからも説教されはじめた。

 

そのたびに中田に相談し、励ましてもらう日々が続いていた。

 

そんなある日、ついに平井が覚醒!!

 

ある日の仕事中、中田と話をしていると平井が突然やってきた。

「お前、ちょっとこい」と平井に言われ、誰もいないところへ連れていかれてすぐ、

何も言わずいきなり蹴飛ばされた!

「え?わけわからん」とただ呆然としていると、

平井が「お前、中田に俺の悪口言ってただろ?」

と言ってきた。

その時は平井の悪口を100%言ってない自信があったので

「悪口なんか言ってません!言うわけないじゃないですか!」とはっきり答えた。

まずこの時点で確証もないのにいきなり蹴飛ばすこと自体おかしいが。

 

平井は、「まあ言ってないならいいけど、もし今度俺の悪口なんか言ってやがったら潰すからな!」と言ってきた。

まあ正直こんなやつに負ける気がしなかったが、当時は怒られるのがただただめんどくさく感じていたので、その場を早く収めるべく謝り続けた。

 

そして、その後からか。

仕事のミスだけでなく、いろいろなとってつけた理由で怒られはじめた。

時に平手打ちされたり蹴られたりもした。

正直逃げだしたい気持ちでいっぱいだったが、

まだ中田という存在がいるのでなんとか自分を保てていた。

 

そんな中田にも異変が起きはじめていた。

まだこの時も仕事後に一緒に遊んでいたが、次第に行く場所が変わっていった。

中田は普段からパチンコパチスロによく行っていたが、僕と遊ぶ時は行ってなかった。

僕は当時パチンコパチスロに行ったことがなかった。

ただ、いい加減我慢出来なくなったんだろう。

ある日、中田から「一緒にパチンコ屋にいかない?」と誘われた。

僕はお金も少しは貯まっていたし、一回くらい行ってみよう!と思い、中田とパチンコ屋に行くことになった。

僕の人生は初めてのパチンコは、ストレートで1万負けで終わった。

反対に中田は5万くらい勝ち、その日飯を奢ってもらった。

パチンコは全然おもしろいとは思わなかったし、

「1万負けて一瞬でお金がなくなる恐怖を知れて良かった」くらいにしか感じなかった。

 

ただその後も中田は僕をパチンコ屋に誘ってきた。

最初は付き合いで少し打つ程度で、終わったら帰っていた。

ただ、そのうち毎日行こう!と誘われだしたため、ついに誘いを断った。

そこから少し中田と壁ができはじめた。

 

それからしばらく中田と一切遊ぶことはなくなった。仕方ないことだ。僕はパチンコに興味はないし、遊びに行くのがパチンコ屋ばかりでつまらないから。

そんなある日、急に中田からある相談を持ちかけられた。

「急で悪いんだけど、今月どうしても大事な支払いがまだ残ってるから、1万貸して欲しい!絶対返すから!」

そう中田に言われた。

僕は当時、免許代で少し蓄えがあったので返してくれるなら、とすぐにお金を貸した。

ただ、これがいけなかった。

後でわかったことだが、中田は僕が貸したお金をパチンコに使っていた。

当時中田自身は同棲していた彼女との結婚資金としてお金の蓄えがあったにも関わらず、自分の金は使わずに僕から借りたお金をパチンコの軍資金にしていた。

合計3回貸し、金額は5万円。

もっと早くに気付いていればよかったんだが、気づいた時にはもう中田はいなかった。。

 

長崎に来て3ヵ月経つころ、何日かの休みが久々にとれたのもあって久々に地元に帰ることになった。

もちろん休みが終わればまた長崎に行くことになる。

久々の休日を地元で満喫し、気持ちがだいぶすっきりしたところで長崎に行く日を迎え、待ち合わせ場所でまず平井と合流した。

ただ、一向に中田が姿をみせない。

平井が何度中田に電話してもでず。おバカ興業にも来ていないので、出発ギリギリまで待ったがとうとう中田は現れなかった。

そう。バックれた。

平井と長崎に行く車内で、僕は不安でいっぱいだった。同時に中田はまだ長崎にきてくれる!とかすかな望みを抱いていたが、最後まで現れることはなかった。

当時はお金を返してもらえない怒りより先に、

唯一の救いだった中田がいないことに不安を感じていた。このままやっていけるんだろうか?

ただそればかり思っていた。

今は、

中田ぁ〜!!金返せコラッ!!

としか思ってないけど。

 

この時本当は僕もバックれたかった。なんで長崎にきてしまったんだろう?とばかり思っていた。

 

そして、僕の不安は的中。

ここからさらなる地獄が待っていた。

 

地獄の日々

再び長崎に戻ってすぐから仕事がだんだん忙しくなり、夜間の仕事でも残業が増えはじめた。

それに加え、週に一度は昼勤も入りはじめ、徐々に寝不足になっていった。

 

それでも相変わらず平井は攻撃の手を緩めず、

仕事中に怒られるのは当たり前、

もちろん蹴られたりもして、さらには仕事後も寮で同じことを怒られはじめた。

しかも正座で。夜間+昼勤の時の説教はさすがに応えた。

この時から徐々に精神が崩壊していっていた。

頼りになる人もおらず、ただ淡々と過ごす日々。

仕事も落ち着いていくどころか忙しさが増していくばかり。

 

長崎に最初に来てから5ヵ月ほどたった時には、

夜間+昼勤が1週間連続で続くことがあった。

1月の半分以上が夜間+昼勤。

1日休みなんてなく、この頃には仕事後の正座説教も毎日行われるように。

終わりが見えない毎日に、次第に限界を感じてきていた。

そして同時に、自分の内から込み上げてくるものを徐々に感じてきていた。

 

ある日、いつものように仕事後に平井に説教を受けてる最中にふと平井に質問をした。

「前から思ってたんですけど、なんでこんな毎日僕に説教してくるんですか?」

 

平井「お前がどうしようもないからだろ。ていうより、お前の顔がムカつくんだよ」

 

「は?」

 

平井「は?てなんだコラッ!何度もいわせんな!お前の顔がムカつくんだよ!」

 

「この顔は生まれつきなんでどうしようもないんですけど、だったら他の人に変えたらどうですか?この顔がムカつくんでしょ?」

 

平井「他のやつに変えるわけね〜だろ!こんないいストレス発散の道具を!簡単に手放せるか!」

 

「。。。」

 

平井「あ?なんだ?その目は?文句あんのか?いっとくけど、お前この先ずっとここで俺のストレス発散の道具として使われていくんだからな!もう地元に帰れると思うなよ?」

 

「。。。ブチッ!!」

 

その瞬間、今まで溜め込んでいた怒りが一気に爆発。

平井が寝静まったのを見計らい、

 

  1. 平井の髪の一部分をバッサリ切り、
  2. 平井の顔に落書きをしまくり、
  3. 平井が飲んでいたペットボトルにお◯っこを入れ、
  4. 平井のことをボロカスに書いた置き手紙を残し、

さっさと荷物をまとめて飛び出した。

 

この時、長崎にきてちょうど半年たった頃でした。

ここからが、僕がホームレス生活をする第1歩。

 

寮を飛び出してホームレスになるまで

そんなこんなで寮を飛び出したが、僕はまず免許も何も持っておらず、寮が長崎の端の方にあったこともあり、交通は正直不便だった。

ただ、長崎に再びきてからロクに遊んでいなかったこともあり貯金はある程度貯まっていた。

 

この時の貯金は20万円!!

長崎で仕事して唯一よかったこと。

貯金がある余裕があったので、どうせなら遊んで帰ろう!と思い、まずは近所の洋服店で服を買った。

身だしなみを整え、さあ!次はどこに行こう?

と思っていたのですが、正直遊ぶところも一緒に遊ぶ友達もいない。

いくならゲーセンくらいしかなく、3日くらいはゲーセンとカプセルホテルを行き来していた。

 

ただ、ちょっとゲーセンでお金を使いすぎ、この時の残りの貯金があと10万円。

まだ、この時に地元に帰ればよかったのだが、

何を思ったか、

「どうせなら一発逆転を狙おう!あと1万さえ残しておけば地元には帰れる!」

と甘い考えでパチンコ屋に行ってしまった。

 

ここで思うが、きっと僕はギャンブル運がないんでしょ〜ね。

 

パチンコをはじめたばかりというのもあり、加減を知らずに、あろうことか1日で全部なくなった。

(このことを教訓に、きっぱりやめた)

 

財布にはもう、300円しか残っていない。

カプセルホテルに泊まることも、地元に帰る手段もなく。八方塞がり。

だからといって、またあの寮に戻ったら今度こそ逃げられない。

僕の頭の中は、絶望感でいっぱいになった。

季節はもうすぐ春になろうとする頃でまだ寒く、とても野宿なんてできない。

 

ホームレス生活

一文無しになった僕は、どこに行くあてもなくさまよった。

とりあえず、大きな公園をうろつけば公園の水は飲める。喉が乾くたびに水を飲んでいた。

まだ300円はあったので、大事に使おうと思い駄菓子屋で10円お菓子を一気に買った。

「これで食料は確保できた!」

そう喜んでも、こんなのはいつか尽きる。

 

でもこの時はまだ甘い考えを持っていた。

「大きな公園を夜中にうろついてたら、きっと誰かが僕を保護してくれる!どうせ保護してくれるなら、きれいなお姉さんがい〜な〜」

とバカな考えを持ってひたすら大きな公園を何周もあるいていた。

実際この公園は有名なナンパスポットで、夜中には結構ギャル達が集まっていた。

 

そんなこんなで昼間は近くのスーパーのベンチで寝て、夜になったら公園を何周もする生活を送っていた。

 

もちろん誰も声かけてくれるわけもなく、逆に自分から助けを求めようとも考えたが、

もうこの時はすでに1週間お風呂に入っておらず、

臭いし髪ボサボサで不潔感漂うしこんな状態で誰かに話しかける勇気なんでなかった。

しかも、長崎に来たのは生まれて初めてだったのと移動は基本平井か中田に着いて行ってただけなので長崎の地理を覚えるはずもなく。。

日に日にもっと追い込まれていった。

 

ホームレス生活が2週間たった時には、

当然10円お菓子もなくなり、もう公園の水だけでしのぐ生活になった。

相変わらず昼間はスーパーのベンチで寝て、夜は公園を徘徊していたが、さすがに歩く体力もなくなっていく。

もう起き上がることすらきつい状態になってた。

「ああ、このまま死ぬのかな?」と予感しつつ、

公園にしがみついてたからダメなんだ!とわかり場所を移すことに。

 

「もっと目立つ場所なら、きっと誰かが気づいて保護してくれる!」

 

わずかな望みを残し、重い足を引きずってなるべく目立つ場所に移動した。

人が集まる場所を探しては、その周りをうろつく。

だけど周りからは気味悪がられ、誰も声かけてくれない。

自分から助けを求めようとしても、まだ変なプライドがまとわりついてこのをかけられない。

どこに移動しても結局同じことの繰り返しで何の進展もなかった。

 

ホームレス生活が3週間たった時、

もう限界が近かった。本気で死ぬ。このままだと本当にヤバい!

そう感じた僕はついにいけないことをする。

 

今はもう時効だから言うが、

追い込まれて最終的に行き着く先は、

夜中のコンビニに忍びこんで、食料などを拝借することだ。

 

心臓がバクバク言ってたが、やるしかない!

なるべく一回で済ませるため、レジ袋を何枚か持っていき、あるコンビニがレジに誰も立っていなかったのでできる限り食料を詰め込み、

もうダッシュできる自信はなかったのでバレないようにひっそり逃げた。

 

幸い防犯ブザーも鳴らず、店員も誰も追いかけてこなかったのでよかった。

 

早速冷えたままの食料を食べ、お腹を満たした。

ただ、同時に情けない気持ちでいっぱいになり、いっぱい泣いた。

 

それからしばらくは体力が戻った。

ただ、たった一食ではそんなに持つわけがない。

ホームレス生活が4週間たったころにはもういよいよ限界だった。

またコンビニで食料を拝借することも一瞬よぎってしまったが、もうそんなことをする勇気も湧かなかった。

体はすっかり痩せ細り、わけのわからないアザもいっぱいできてた。ずっと風呂に入ってなかったせいか、肌の色が黄土色になっていて髪の毛はパリパリに固まっていた。

手のひらは薄暗くなっていて爪も伸びっぱなしで汚い。

半ば動けなくなりながら、地元での楽かった生活を思い出し、このまま死ねない!絶対帰るんだ!と思い、もう気力だけで踏ん張ってた。

ただここでやっと、重大なことに気づく。

 

結局生還できたのか?

結論から言うともちろん生還した。

じゃあどうやって地元に帰ったのか?

重大なこととは何か?

答えは簡単。

「警察に保護してもらうこと」

 

こんな簡単なことに気づくのに、

実に4週間もかかった。

警察ならさすがに無視はされない。

だけど、警察は通常近寄りがたい雰囲気があるので正直毛嫌いしていたがしのごの言ってられない。

 

最後の力を振り絞り、歩いて4時間かけて警察署に到着。着いたのは夜中だった。

受付で事情を話したら、

「とりあえず今日は仮眠室で休みなさい。」

といわれ、そのまま連れて行かれた。

ギリギリほか弁が空いていたのか、カツ丼をおごっていただき、さらには仮眠室にシャワーが付いており、4週間ぶりに体を洗った。

そして4週間ぶりに暖房の効いた部屋で毛布も貸していただきゆっくり休めた。

 

安心したのか、爆睡しすぎて15時間くらい寝たが、警察の方々は僕を咎めることなく笑顔で迎えてくれた。

 

体力も少し戻り、これからどうしたらいいのかを改めて警察の方に相談した。

 

すると、警察の方は

「うちではどうしようもないよ。地元に送り届けることもできないし。」

 

僕はその瞬間

「え?」

と思ったが、その後すぐに警察の方がアドバイスをくれた。

「市役所に行ってごらん。緊急なら手続きは必要だけど高速バス代を貸してもらえるはずだから。」

 

もう警察の方々に感謝しかなかった。

感謝の言葉を言い、この日は15時間近く寝ていたので市役所がもう閉まっており、警察署にもう1泊させていただき翌朝出発した。

 

市役所までは歩いて3時間。

ただ、体力もだいぶ戻っていたのと

「これでやっと地元に帰れる!」

という思いから自然と足取りは軽かった。

 

その後は昼過ぎに市役所に到着。

地元に帰れなくなって困っている。と事情を話すと、高速バス代を貸してもらえた。

 

そこから約6時間かけて高速バスの停留所に行き、

その日の夜中にやっと地元に帰れた。

 

早速家に帰ると、親はまだ起きていた。

僕の顔をみた途端に泣き出した。

詳しい事情を話すと、親に

「バカじゃないの?アンタ!自業自得で心配かけんな!」

と一蹴されたが、まあ当然のことだ。

自分でもバカなんじゃないかと思うほどだし。

 

そして、親に聞いた話によると、僕が長崎の寮を飛び出した次の日くらいにおバカ興業から電話があったそう。

そこである程度の事情は知っていたが、僕が受けた仕打ちに関しては当然知らなかった。

その仕打ちの話をしたら親が当初は訴える!と言って聞かなかったが、正直もうおバカ興業とも平井とも関わりたくなかった。

 

あれから平井は地元に帰ってきておらず、詳細は不明。

ただ、怒り狂っていた、ということだけは聞いている。

「ざまぁみろ!ば〜か!!」

と思ったが、むしろもうどうでもいい話だ。

あんなやつはいつか天罰が下るだろう。

 

ちなみに、家に帰って体重を測ったら15キロも痩せていた!

元々どちらかといえば痩せ型だったが、もうあばら骨もくっきりみえ、頬はめちゃくちゃこけていたので想像はついてたがそこまで体重落ちていたとは思いもしなかった。

(まあ1ヵ月もしないうちに元に戻ったけど)

 

以上がホームレス生活の全貌です。

 

まとめ

本当は大長編なので1記事にまとめず何回かにわけようと思っていましたが、分けたら分けたでグダグダになりそうな予感もあったのでまとめました。

 

実際に起きたことをありのままに書き、脚色も何もしていないので文章もお見苦しい点もあったかと思いますが大目にみてください。

 

正直人生で一番のピンチがホームレス生活でしたが、それに近いピンチはまだまだありますので、それは何度かに分けて記事にしようと思います。

 

自分みたいにならないために1ついえることは、

「後先をよ〜く考えて早めに行動しよう!」です。

 

それではまた。