会社を退職したら絶対にしなくてはならない5つの手続き
まずはじめに、退職してすぐに転職するのであればこの手続きは必要ありません。
あくまで、「退職したはいいけどまだ職も見つかっていないし、これからどうすればいいのかわからない」という方向けの記事です。
そして、必要な手続きを怠ってしまうとあなたの生活を苦しめてしまう結果となります。
その必要な手続きの流れとは具体的に
この5つです。
この中のどれもが重要な手続きで、1つでも欠かすことはできません。
これから順を追って手続き方法を詳しく解説していきます。
退職したらまず離職票をもらい、最寄りのハローワークに出向く
離職票はなぜ必要なのか?
それは、雇用保険の失業給付を受けるのに欠かせない書類だからです。
会社から送られてきた離職票の内容は
- 退職理由の詳細
- 給料をいくらもらっていたのか
- 過去1年間の出勤状況
これらを元に雇用保険の失業給付の資格があるか、また給付金額や給付期間を決定します。
まず、会社を辞めて概ね1週間程で会社から離職票が届きます。
ただし、会社によっては離職票をもらうのに1ヶ月もかかることも。
離職票をもらわないと手続きが進まず、失業給付がその分遅れてしまいます。
会社側は離職票を発行する義務があります。
しかも、期限は雇用保険の受給資格を損失した(基本は退職日)日から10日以内に離職票を発行しなければいけません。
退職後、いつまでたっても離職票が届かない場合は会社に必ず確認し、いち早く離職票を発行してもらいましょう。
もし万が一発行してもらえない!なんて会社なら、ハローワークの方に会社へ催促の電話をしてもらいましょう。
会社側は、正当な理由もなく離職票発行を拒否してしまうと罰せられます。
会社にひるまず、強気の姿勢でいきましょう。
そしていざ、離職票をもらったら早めにハローワークに出向きましょう。
ハローワークカードの作成
まず最初に、ハローワークで必要な書類は
- 離職票
- 雇用保険被保険者証
- 個人番号確認書類
- 身元確認書類(免許証やマイナンバーカードなど、官公庁が発行した書類)
- 証明写真(ただ、ハローワークで写真撮影できる)
- 印鑑(シャチハタ不可)
- 本人名義の預金通帳又はキャッシュカード(一部取扱い不可の金融機関もあるので事前に確認)
この7点です。
1つでも欠けると手続きできませんので、忘れずに持参してください。
心配な方は、ハローワークのホームページで詳しく確認できます。
ハローワークインターネットサービス - 雇用保険の具体的な手続き
離職票を無事にもらい、ハローワークに出向いたらまずはハローワークカードの作成が必要です。
これは、失業給付を受ける条件の1つに
「働く意思がある」ことを示すためです。
ハローワークカードの作成の申込み書類には、
- 自分の情報
- 前職までの経歴
- 希望職種
を記入し、窓口に提出します。
申込み書類に記入し、窓口に提出するとハローワークカードはすぐに発行されます。
発行されたハローワークカードは絶対に失くさないようにしましょう!
雇用保険の手続き
ハローワークカードをもらったら次に、窓口に持ってきた書類を提出します。
そこで受給資格の決定を行い、雇用保険の手続きに進みます。
ただし、ここで注意しなければならないのは、
「離職票に記載されている離職理由は正しいか」
「雇用保険の加入期間が1年以上(会社都合退職の場合は半年以上)か」
まずこの2点を必ず確認する必要があります。
もし仮に、会社都合の退職(会社の倒産、従業員に非がない会社都合の解雇)であるはずが、離職票には自己都合退職になっていた場合は異議申立てができます。
これは大変重要で、会社都合退職の場合は期間を空けることなく失業給付を受けられるのに対し、自己都合退職の場合は3ヶ月の待機期間の後失業給付が行われるからです。
また、雇用保険の加入期間を満たしていない場合はそもそも失業給付は受けられませんので注意が必要です。
雇用保険の失業給付までのおおまかな流れは以下の通りです。
- 失業給付の受給資格の決定
- 指定の日時に「雇用保険者初回説明会」に出席後、「雇用保険受給資格者証」と「失業認定申告書」が渡される。
- 待期期間(7日間)後の指定来所日にハローワークへ来所し、初回の失業認定
- 認定日後、約5営業日後に失業給付金が振り込まれる
- 4週間に1度の失業認定日にハローワークへ来所
- 認定日後、約5営業日後に失業給付金が振り込まれる
※自己都合退職の場合は、初回認定日から3ヶ月後の失業認定日後に初回失業給付金が振り込まれる
失業認定後も、あくまで働く意思を示すために毎回の認定日の前日までに最低でも2回の就職活動をしなければいけません。(または3回)
ここで言う就職活動とは、
などです。
インターネットや求人雑誌を見ただけなどは就職活動に含まれません!
また、求人の応募などをしていないにも関わらず虚偽の申告をした場合は不正受給とみなされ、失業給付金の返還、それ以上の金額を払わないといけなくなるので注意!
それともう1つ大事なことは、失業認定期間にアルバイトなどで収入を得ていた場合は、必ず正直に申告する必要ががあります。
申告をしていなくてもすぐにバレますし、申告せずに失業給付を受けた場合も不正受給です!
雇用保険の失業給付期間や金額については、以下をご確認下さい。
体感では、前職でもらっていた給料の6〜7割程度の金額でしょうか。
給付期間は雇用保険の加入期間や年齢などに左右されますが、最低でも3回の認定期間はもらえます。
本来はいち早く就職を目指すための給付であることを忘れず、もらえるものはしっかりもらっておきましょう。
健康保険の切り替え
会社で社会保険に加入していた方は、退職後はもちろん加入資格がなくなります。
ここでは、健康保険をどうするかによって手続き方法がだいぶ異なってきますので1つずつ解説します。
任意継続
任意継続とは、「会社で加入していた社会保険に退職後も継続して加入すること」をいいます。
この場合、退職日の翌日から20日以内に手続きをする必要があります。
この定められた期間内に「任意継続被保険者資格取得申出書」に必要事項を記入し、健康保険協会へ提出しなければいけません。
そして無事に手続きが完了すれば、保険証が発行されます。
任意継続の条件としては、「資格喪失日までに健康保険の加入期間が継続して2ヶ月以上あること」です。
詳しい内容は協会けんぽのホームページで確認できます。
任意継続の加入手続きについて | よくあるご質問 | 全国健康保険協会
国民健康保険への切り替え
もし任意継続でなく国民健康保険へ切り替えを行う場合は、最寄りの市区町村役所での手続きが必要となります。
手続き期間は原則退職日の翌日から14日以内となっていますが、もし過ぎてしまっても手続き自体は可能です。
しかし、保険料は退職日の翌日までさかのぼって支払う必要があります。
必要な書類としては、
- 健康保険資格喪失証明書(会社から発行されるか保険組合にて発行される)
- 健康保険の資格喪失日がわかる証明書
- 印鑑
- キャッシュカードまたは通帳と銀行届出印
ここで注意しなければならないのが、「以前の会社で働いていた時、国民健康保険から社会保険への切り替え手続きを行っていなかった場合」です。
この場合、通常は2重に健康保険料が発生します。
しかし、退職後にきちんと「健康保険資格喪失証明書」役所に提出すれば以前の会社に入社していた時期の分の保険料は免除されます。
まあ最初から入社時にきちんと社会保険への切り替え手続きを行っていればこんな問題は発生しませんが、手続きする時間もなくつい忘れがちになります。
逆にそのままほったらかしにしていると、国民健康保険証が使えなくなるばかりか、とんでもない金額の保険料を支払わなければいけなくなります。
そうならないためにも、早めに切り替えや免除の手続きを行わなければいけません。
国保の手続き方法 | 国民健康保険料の計算、国民健康保険と健康保険任意継続との比較など!
家族の扶養に入る
退職後に家族の健康保険の扶養に加入する場合は、
家族が加入している健康保険の手続きとなります。
加入条件としては、
- 自身の年収が130万円未満
- 加入する家族の年収の2分の1以下
であることです。
手続き方法は家族がどの健康保険に加入しているかによって変わってきますので、まずは自身の会社を通じて健康保険協会へ確認する必要があります。
年金の切り替え
一般的に会社に雇用されている間は国民年金に加えて厚生年金に加入しています。
退職した後は速やかに国民年金のみの支払いに切り替える必要があります。
退職日から14日以内に市区町村役所の窓口にて切り替え手続きを行いましょう。
これがなぜ重要なのか?
その理由は、退職により年金の支払いが難しい場合の「国民年金保険料の特例免除制度」があるからです。
必要書類は、
年金保険料は決して安くはありませんし、退職後の生活にかなりの負担となりますので、忘れずに手続きを行いましょう。
まとめ
以上が最低限やっておかなければならない手続きです。
他にも必要な備えとしては、
住民税と所得税です。
住民税は前年度の所得に応じて支払い義務が生じるため、ある程度の貯えがないと支払いが厳しくなります。
所得税に関しては、以前の会社の源泉徴収票や各種控除証明書を保管しておき、確定申告の時期に提出する必要がありますので忘れてはいけません。
最低限やっておくべきこともたくさんあることはわかっていただけたと思いますが、雇用保険を除けば簡単な手続きばかりです。
面倒かもしれませんが、自分の首を絞めないためにも確実に手続きを済ませておきましょう。
また、退職前にやるべきことについても別記事で紹介していますので、あわせてよろしくお願いいします。